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4編

昼寝をしていたら物音がして目が覚めた。くもりガラスのむこうに人影が見える。鍵はかけたが窓は開けていた、ような気がする。一思いにガラス戸を開けると、オレンジ色のワンピースを着た中年の女性が居た。瞬間、すごい形相で睨まれる。何やってんですか、と、大声を出したつもりが声は出なくて、情けない嗚咽が漏れた。オレンジ色が目の前をかすめる。体が押される。散らかされた部屋がさらに散らかる。視界が揺れる、声は出ない。ふと取っ組み合いから体が離れて、間合いが出来たところで女性が包丁を手に取った。あ、と思うと目の前にオレンジ色がチラついて、その後はよくわからない。

学校に行った。遅刻をした。教室の後ろ扉から中を覗くと、授業はもう始まっていた。熱心に授業を聴く生徒たちを邪魔するのは忍びなくて、そのまま廊下に座り込んだ。やることもなかったので弁当を食べた。授業が終わって生徒たちが外へ出てきても僕はそのまま座り続けた。

閑静で緑の多い住宅街を歩いていると、目の前を大きなシャボン玉が通り過ぎた。中身は白く、煙のようなものが充満している。やがて道に白い煙の波がゆったりと流れ、大きなシャボン玉は数を増し、どんどん道が埋まっていく。シャボン玉が割れて煙が弾ける。視界が曇るなかで、遠くを走る人間がシャボン玉の煙に飲まれてそのまま消えるのが見えた。虹色に光る白くて大きなシャボン玉に囲まれて、ああそうか僕もああやって消えるのだな、と思った。

こどもが泣いている。どしたの、と声を掛けてもぽろぽろと涙をこぼすばかりで返答はない。白に近い綺麗な金髪で、色の白い北欧系の顔立ちをしていた。声を出さずに泣き続けるこどもに困り視線を下ろすと、体はまるで人形で、玉のはめこまれた関節とプラスチックのような肌をしていた。思わず頬を触れるとその肌は柔らかく、首から上は人間のそれだった。こどもは変わらずしとしとと泣いた。僕はごめんな、と何度も謝った。


寝るとこういう夢で起こされる。また寝る、また起きる。時計を見る。また寝る。
どうせなら楽しい夢がいいし、せめて夢くらい楽しいものであってほしい。
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浅野あわわ

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